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後見人の種類~成年後見人や保佐人などの権限・義務を解説~
認知症や知的障害・精神障害により判断能力が十分でない方を支援する制度が後見制度です。人それぞれ必要な支援の内容は異なりますのでその人に合わせた後見人(支援者のこと。)、「成年後見人」「保佐人」「補助人」「任意後見人」などが選ばれます。
当記事ではこれら後見人について一つひとつ紹介し、どのような権限・義務を持つのか、支援できることとは何か、について解説をしていきます。
後見人の種類一覧
後見の種類に応じて、本人を支援する後見人等にもいくつか種類があります。
後見人の種類 | 支援される人 | |
|---|---|---|
法定後見 | 成年後見人 | 成年被後見人 |
保佐人 | 被保佐人 | |
補助人 | 被補助人 | |
任意後見 | 任意後見人 | 本人 |
「成年被後見人」や「被保佐人」、「被補助人」という呼び方についても押さえておきましょう。
なお、これら後見人等を選任してもらうには家庭裁判所での申し立てが必要です。成年後見制度の申立件数は全体として増加傾向にあり、令和元年には約3.6万件であった申立件数が令和5年には約4.1万件にまで増加しています。
監督人の種類
成年後見制度における主要人物には、支援を受ける本人と、支援を行う後見人等のほか、「監督人」と呼ばれる人物もいます。
※法定後見においては必須ではないが、任意後見においては必須。
監督人の役割は、後見人等が不正をしないかどうか見張ることにあります。法律上も、監督人の職務として以下の行為を掲げています。
第八百五十一条 後見監督人の職務は、次のとおりとする。
一 後見人の事務を監督すること。
二 後見人が欠けた場合に、遅滞なくその選任を家庭裁判所に請求すること。
三 急迫の事情がある場合に、必要な処分をすること。
四 後見人又はその代表する者と被後見人との利益が相反する行為について被後見人を代表すること。
具体的には、後見人等が作成する財産目録や収支予定表、報告書の内容を確認し、問題がないかを調べます。それ相応の専門知識が求められる役職ですので、多くの場合弁護士や司法書士などの専門家が監督人として選任されます。
成年後見人について
成年後見人は、判断能力を欠いた方を支援する人物で、家庭裁判所から「後見開始」の審判を受けたときに選任されます。
支援対象である成年被後見人は判断能力を失ったと評価される状態ですので、手厚く保護する必要があり、その分成年後見人の権限も広く設定されています。
成年後見人の権限 |
|---|
・財産の管理に関する全面的な「代理権」を持つ ・財産上の手続きについてはすべて成年被後見人が代わりに行い、財産の処分などもすることができる ・成年被後見人のした法律行為(契約の締結など)は、後で成年後見人が取り消せる ※日常生活に関する行為(日用品の購入など)については取り消せない |
成年後見人の義務 |
・成年被後見人の生活や健康管理に関して法律行為(医療や介護施設に関する契約、住居の確保、生活維持に関する契約、費用の支払いなど)を行う義務を負う ・本人の生活、療養看護、財産管理に関する事務を行うにあたっては、本人の意思を尊重し、かつ、心身の状態・生活の状況に配慮しないといけない ・権利の行使にあたっては、自分のためにするときと同等の注意力をもって臨まなければいけない ※この注意義務に反して本人に損害を与えたときは、損害賠償の責任を負う |
保佐人について
保佐人は、判断能力が著しく不十分な方を支援する人物で、家庭裁判所から「保佐開始」の審判を受けたときに選任されます。
支援対象である被保佐人は、判断能力がかなり低下した状態にあるため相応に手厚く保護する必要がある反面、判断能力が完全になくなっているわけではありませんので成年後見人ほど広範な権限は定められていません。
そこで原則として「代理権」は保佐人に付与されません。代理権付与の申し立てを行いこれが認められることによって、特定の法律行為について保佐人が代わりに行うことが可能となります。
他方、別途申し立てを行うことなく保佐人には以下の行為についての「同意権」が付与されます。同意を得ずに被保佐人自身がした行為については、後から取り消すことができます。
- 借金をすること
- 借金の保証人になること
- 土地や建物を購入すること
- 訴訟行為をすること
- 遺産分割協議を行うこと
- 相続放棄の申述をすること など
※民法第13条「保佐人の同意を要する行為等」にて列挙されている。
なお、同意権に関しても申し立てを行うことでその範囲を広げることが可能です。
補助人について
補助人は、判断能力が不十分な方を支援する人物で、家庭裁判所から「補助開始」の審判を受けたときに選任されます。
※補助に限り、申し立てをするには本人の同意を要する。
支援対象である被補助人の判断能力は、日常生活において全般的な保護をするほど低下した状態ではありません。そこで補助人の持つ権限についても保佐人よりさらに制限され、同意権の範囲も縮小されます。
具体的には「保佐において同意を要する特定の行為のうち指定した部分」のみについて、被補助人が単独でできなくなります。
なお、代理権についても別途申し立てを行い家庭裁判所に認められれば、補助人に代理権を付与することは可能です。
任意後見人について
本人と任意後見人となる人物(任意後見受任者と呼ぶ。)が「任意後見契約」を締結し、その後任意後見監督人が家庭裁判所から選任されることで、任意後見は開始されます。
法定後見と異なるのは事前の契約締結を要するという点であり、準備段階では、契約を有効に締結するだけの判断能力が本人に備わっていなければなりません。そのため実際に判断能力が衰えてから準備を始めても任意後見人をつけることはできず、この場合は法定後見を利用するしかありません。
ただ、利用できる条件が狭い反面、支援内容について本人がある程度自由に決められるという良さが任意後見にはあります。もちろん任意後見受任者との合意が必要ですが、双方の意見を合致させることができれば、柔軟に法律行為に関する権限を与えることができます。
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